病気にかかったり、けがをしたりしたとき、お金の面で不安を覚えることも多いはず。さらに障害が残ってしまった場合、その後の生活が難しくなることもあるだろう。そんなときこそ、公的制度を活用するべきだ。
病気やけがで障害が残った場合、年金を早く受け取れる制度がある。「障害年金」の受給条件は主に3つ。
【1】障害の原因となった病気やけがの初診日が、厚生年金または国民年金の加入期間中である。
【2】初診日の年齢が65才未満。
【3】初診日のある月の前々月まで、加入期間の3分の2以上の期間、納付または免除されていて、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がない。つまり、年金保険料を滞納した時期があるともらえない可能性もあるのだ。
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが言う。
「障害年金を申請するには原則、初診日から1年6か月後の障害認定日に一定の障害状態に該当していなければなりません。認定審査には3~4か月かかるため、最大1年6か月受け取れる傷病手当金の受給期間が終わる前に申請の準備をしましょう」(黒田さん)
なお、もらえる額は、初診日に加入していた年金が国民年金か厚生年金かによって変わる。国民年金加入者は、子供がいない場合、1級の年額99万3750円か、2級の79万5000円、どちらかになる。厚生年金であれば「障害基礎年金」に加え、「障害厚生年金」ももらえる。
障害年金の認定は意外とハードルが高いため、認定される対象疾患が広い「障害者手帳」の申請も覚えておきたい。視覚や聴覚の不自由、肝機能などの障害、うつ病などの場合、市区町村の障害福祉担当窓口で申請すればもらえる。
公的料金の減免・料金の割引、交通機関の割引、税金の控除などのほか、介護・生活サービスなど、さまざまな福祉サービスが受けられる(別表参照)。自治体によって受けられるサービスは異なるので、確認しておきたい。
障害が残ると治療負担が大きくなる。使える制度は活用しよう。
取材・文/桜田容子
※女性セブン2023年3月30日・4月6日号