日常生活で起こる、近所からの苦情申し出が法的な問題に発展することはめったにありませんが、嫌がらせが続くようであれば、法務局の人権相談や市町村の相談窓口を利用して助言を受けるとよいと思います。
なお、空き家でも他人の家の敷地に立ち入って木の枝を切ることはできません。今回の民法の改正でも越境した枝の切除ができることが限界です。隣人の行為は不法行為です。
また、隣人の苦情に根拠がなく、たとえば大声で長時間話し続けたり、断っても頻繁に押しかけて、あなたを困惑させ、健康にも被害を生じさせかねない事態になれば、近所づきあいの受忍限度を超えた不法行為になると思います。その場合は、慰謝料請求のほかクレーム行為の差し止めを求めることができます。弁護士会の法律相談を受けることをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2023年3月30日・4月6日号