年末年始の為替市場は値動きが荒くなる傾向
アメリカの株式市場も不安材料となり得る。ダウ平均株価はリーマン・ショック以降順調に回復し、16年はやや足踏みしたものの、それでも史上最高値を更新し、7年以上にわたり上昇を続けてきた。
しかし、どんなマーケットも永遠に上がり続けることはなく、上昇幅が大きいほど調整局面での下落幅も大きくなるもので、ダウ平均とて例外ではないだろう。
ここ数年、ダウ平均と米ドル/円相場は独自の値動きをすることが多く相関性は必ずしも高くはないが、ダウ平均に大きな調整が起これば当然為替市場は引きずられ、世界的なリスクオフ局面が訪れる可能性は高い。
そもそも例年11月から1月にかけての年末年始の相場は、取引量が少なく、どちらか一方向に走りやすい状態になっている。その年に利益を上げた機関投資家は早々に休暇に入るため、一発逆転を狙う投資家と個人ぐらいしか残っておらず、ボラティリティ(変動率)が大きくなりがちだ。
16年末は特に、大統領選の直後であるうえ、利上げが濃厚とされるFOMCも控えており、難しい相場になることが予想される。
羊飼いは17年1月いっぱいぐらいまでは、キャッシュポジションを増やして様子見に徹することにしている。完全に休んでしまうと相場観が途切れてしまうので取引自体は続けるが、最小限のポジション量で無理をしないトレードにとどめるつもりだ。
16年も年初に大きな下落があったので、17年1~2月も十分に警戒する必要がある。レバレッジを高くし過ぎないようにしたり、逆指値によるストップロス注文を入れておくといった基本的なリスク管理を改めて徹底したい。