もちろん、こうした心配は杞憂に終わる可能性もある。市場予想の通りに年末の利上げが実施され、大きな金融ショックが起こらなければ、17年の米ドル/円相場はゆるやかな上昇トレンドを描く可能性が高いだろう。
それでもその上昇力は強くはないと思われるので、はっきりしない相場が続くかもしれない。いずれにしても、トレード環境としては難しい局面が続くと考えられる。
具体的な投資戦略としては、米ドル/円の押し目買いとユーロ/米ドルの戻り売りが基本となる。ただし、これは年初以降も引き続きアメリカの利上げ期待が残っていることが前提だ。
アメリカ経済に利上げを続ける体力が残っていないと判断されるようなことがあればこのシナリオは覆され、相場は急ブレーキを踏んで大事故を引き起こすおそれもある。投資家はいずれのシナリオにも対応できるよう、十分警戒して17年の相場に臨んでほしい。