評価方法によっては相続税額が変わってくることもあるわけだ。
また、貴金属や美術品といった宝飾品は財産目録作成時の買取価格を記入していくが、なかには課税対象となるのかの線引きが難しいものもある。
「お墓や祭祀にかかる仏具は課税対象外ですが、金の仏像や金の仏壇は相続財産とみなされる可能性があります。判断が難しければ専門家に聞くのが望ましいでしょう」
財産目録を作成したら各項目を合算し、財産の総額を把握したうえで相続税を計算していく。
「基礎控除」を超えているか?
続いて相続人の確認を行なう。
「相続人の人数によって相続財産から差し引かれる基礎控除額が変わり、相続税額に影響します」
相続人には優先順位があり、配偶者は誰よりも優先して相続の権利が認められ、常に相続人になる。
配偶者以外の相続人には法的な相続順位と法定相続分(財産を相続する割合の目安)が決められている。
第1順位は被相続人の子や孫である直系卑属だ。直系卑属の法定相続分は財産の2分の1となり、たとえば妻と子2人がいる夫の遺産を相続する場合は、妻が2分の1で子供2人が4分の1ずつというのが法定相続分になる。
第1順位に当たる人がいない場合、相続人となる第2順位は被相続人の父母や祖父母である直系尊属(法定相続分3分の1)に、第2順位がいない場合は被相続人の傍系の血族(同4分の1)である兄弟姉妹や甥・姪が相続人となる。
「ただし、法定相続分はあくまで民法上の目安です。実際には遺言状や遺産分割協議などで相続人の“取り分”は変わります」