アメリカのシリコンバレー・バンクの破綻に始まり、シグネチャー・バンク、さらに大手金融グループのクレディ・スイスの救済合併など、世界で金融機関に対する不安が高まっている。では、もし日本の銀行が破綻してしまった場合、私たちの預金はどうなるのか? 『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第35回は、「日本の銀行が破綻した場合に起こること」について。
* * *
今回のシリンバレー・バンクとシグネチャー・バンクに関しては、米政府による預金全額保護が発表され、預金者にとっては、ひとまず安心できる状況になりました。ただし、通常アメリカでは、預金者一人当たり25万米ドルまでしか保護されません。では、日本の銀行が破綻した場合は、わたしたちの預金はどうなるのでしょう?
自動的に預金保険に入っている
じつは、わたしたちが銀行に預金をすると、自動的に預金保険制度に加入することになります。預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に、預金者の保護や資金決済の確保を図ることによって、混乱が生じないように配慮した制度です。そのため、もし金融機関が破綻しても、預金は守られますので安心してください。ただし、いろいろな制約があります。
【保護対象となる金融機関】
・日本国内に本店がある銀行
・信用金庫
・信用組合
・労働金庫
・信金中央金庫
・全国信用協同組合連合会
・労働金庫連合会
・商工組合中央金庫など
政府系金融機関や日本の銀行の海外支店、外国銀行の在日支店は対象外となります。
【保護対象となる金融商品】
・利息のつく普通預金
・定期預金
・定期積金
・元本補てん契約のある金銭信託
・金融債(保護預り専用商品に限る)
高金利で人気を集めている外貨預金は、保護対象外なので要注意です。