家計が赤字でないことが大前提
だがもちろん、投資にはリスクがつきものだ。3000円という、株価が下がっても大きな痛手にはならない金額だからこそ、自分が本当に納得できる銘柄に投じたい。『はじめての人のための3000円投資生活』などの著書がある家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。
「ハードルが下がったからといって、よく知らない企業の株をなんとなく買うのは本末転倒。せめて、その企業がどんな事業をしているかを知ったうえで、“推し企業”を応援するつもりでチャレンジしてみてほしい」
「投資は怖い」という人も、月3000円を上限にした少額投資なら、勉強や予行演習も兼ねて、気軽に始められるはず。むしろ注意すべきなのは、投資に慣れてきた頃だ。
「投資は、少し慣れてきた頃がもっともトラブルになりやすい。手っ取り早く儲けたくなってリスクの高い暗号資産(仮想通貨)やFX(外国為替証拠金取引)に手を出したり、一気に高額の資金を投じたりするのはやめてほしい。個別株投資は、たとえ株価が下がっても持ち続けてもいいと思えるくらいの“ときめき”があるかどうかで選ぶべきです」(黒田さん)
そもそも「ひと月3000円」であっても、投資を始めるなら家計が赤字ではないことが大前提だ。
「生活防衛資金として給与の6か月分、プラス何かあったときのための1.5か月分、合わせて給与の7.5か月分のお金を最低限備えたうえで、すぐには使わない余剰資金を投資に回すようにした方が安全です」(横山さん)