家計に余裕があれば、スーパーマーケットの食品売り場で値札をいちいち確認して財布の中身と相談することもなく、食べたいものを買い物かごに入れ、さっさと精算して店を出ることができます。これだけでも日々の幸福度は確実に上がるでしょう。
無限の富を持てば無限の幸福が手に入るわけではありませんが、幸福を目指すひとが真っ先に取り組むべき課題は、限界効用が逓減して幸福度が変わらなくなる水準まで金融資本を大きくすることなのです。
【プロフィール】
橘玲(たちばな・あきら)/1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング』『タックスヘイヴン』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『幸福の「資本」論』など金融・人生設計に関する著作も多数。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。その他の著書に『上級国民/下級国民』『無理ゲー社会』など多数。最新刊は『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)。