約4年ぶりに迎える「マスクなし」のゴールデンウィークに向け、国内旅行の機運が高まっている。3月いっぱいまでとされていた「全国旅行支援」も、各都道府県による4月以降の延長が決まったが、しっかり制度を把握していないと、思わぬ落とし穴にハマってしまうこともある。
まず、対象期間には注意が必要だ。
1名1泊最大5000円+最大2000円の地域クーポン券の補助が出る全国旅行支援は4月以降も延長となった。ただし、残念ながらGWの4月29日~5月7日に出発する旅程は、対象外となる。
「対象期間は都道府県によって異なります。また、旅行会社や予約サイトも、それぞれ対象となる自治体が異なります。淑徳大学経営学部教授で観光ジャーナリストの千葉千枝子氏が説明する。
悩んでいるうちに予算がなくなり『終了』となることもあり得ます。まずはキャンセル規定をチェックして、気になるものは予約してしまい、キャンセル料が発生する前に吟味する、という方法が現実的です」
航空・旅行ジャーナリストの鳥海高太朗氏はこう話す。
「ネット予約をする場合は、確認画面を印刷して携帯するか、スマホですぐに確認できるようにしておくとよい。旅先でトラブルに遭った時に役に立ちます」
ひとりが証明書を忘れると全員が対象外に
全国旅行支援の利用に際しては、身分証と、ワクチン3回接種証またはPCR陰性証明が必須だ。
「高齢者は運転免許証を返上してしまっているケースも多いですが、その場合は健康保険証、マイナンバーカードなどで対応してもらえます。身分証などがない場合、現地で正規の料金を追加で払わなければいけなくなる。グループでの予約では、同室者全員が支援割引の対象外になってしまいます。
宿泊料金はこの支援割引を前提にして元の定価を値上げしているケースが多く、割引が使えないと大損になります」(千葉氏)
旅行支援はメリットが大きいだけに確実に使いたい。旅行予約を制する者が、満足いく旅行を手に入れられるのだ。
※週刊ポスト2023年4月21日号