「つみたてNISA」や「iDeCo」など、“攻めの節約”として投資が注目される中、生活に潤いをもたらし、「お金だけではないお得感」を得られるのが株主優待だ。
そもそも「株主優待」とは何か。株主優待に詳しいファイナンシャルプランナーの森田悦子さんが説明する。
「企業から株主への利益還元のひとつであり、一定数以上の株式を保有する株主に対して自社の商品やサービス、優待割引券などをプレゼントするものです。株主になると、配当金だけでなく、さまざまな優待を受けられることで、株を持っているだけで得られる利益(インカムゲイン)を手にすることができます。企業にとっては、自社の活動内容や特色を伝えて、安定的な株主を増やせる利点があります」
現在、株主優待を実施する企業は全上場企業の約4割近い1500社近くにのぼり、自社商品だけでなく、買い物や食事の割引券、各種サービスや乗車券などのチケット、クオカードなどの金券と、内容は多岐にわたる。
優待品をゲットするためには、まず株主になることが必須。こころトレード研究所所長の坂本慎太郎さんが言う。
「まずは証券会社に申し込んで必要書類を送り、証券口座を開設します。その口座に入金してお目当ての会社の株を買えば株主になれる。優待の権利を得るには、企業ごとに決まっている権利確定日の2営業日前の『権利付き最終日』に株を持っていればいい」
権利確定日は月末の営業日がほとんどで、権利付き最終日は4月なら2営業日前の26日、9月なら27日というのが一般的。日本では3月末決算の企業が多く、権利確定も3月末が多いため、いまはそれらを参考に、じっくり選べる時期。応援したい事業内容や、気になる優待品で企業を選ぶだけで比較的簡単に始められるのがメリットだが、最低でも100株単位などで買う必要があり、元手資金が必要になるのがネックでもある。