住まい・不動産

「3畳一間」「友人宅の押入れ」 家賃は激安だけど“とにかく狭い場所”の住み心地

友人宅の階段下、畳1畳分ぐらいのデッドスペースに住んでいた人も。「本当に寝るだけだから」と頭を下げ、友人からOKをもらったという(イメージ)

友人宅の階段下、畳1畳分ぐらいのデッドスペースに住んでいた人も。「本当に寝るだけだから」と頭を下げ、友人からOKをもらったという(イメージ)

超狭小部屋での生活も「悪いところばかりじゃない」

 20代の頃、限界まで狭い場所で過ごしたというのはTさん(40代/男性)だ。当時、大学を中退して起業した彼は、ビジネスの都合上、都心に住む必要があった。しかし、部屋を借りたところで、寝るだけなのは明白。そこで目を付けたのが、新宿区に住む大学時代の友人だった。

「その友人の家は大学時代にしょっちゅう遊びに行っていて、家の構造は把握済み。2階建ての一軒家に兄弟2人で住む贅沢な環境でしたが、『居候させて欲しい』と言うと、『空いてる部屋はない』という返事でした。

 ただ、2階に上がる階段の下に畳1畳分ぐらいのデッドスペースがあり、『本当に寝るだけだから』と頭を下げると、何とかOKが出ました。友人からは『家賃はいらない』と言われましたが、コンセント、トイレ、シャワー、洗濯機、冷蔵庫などを使わせてもらう代わりに、月2万円払っていました。

 階段下の生活は本当に寝るだけ。当時は週末も含めて1日16時間ぐらい働いていて、布団に入ったら数秒で眠りに落ちる毎日です。家で起きている時間はシャワーを浴びる15分ぐらいで、寝られる場所さえあればどこでも良かったので、寝場所を提供してくれた友人には本当に感謝しています」(Tさん)

 できるなら避けたいと思う“超狭小部屋”での生活だが、それも「悪いところばかりじゃない」という声もある。前出・Fさんは言う。

「まず、掃除が一瞬で済むこと。スペースに制約があるので、ムダな買い物をしなくなる。お金のある・なしに関わらず、それが本当に必要な物なのかどうか考える癖がつきました。狭いので、物が失くなることもありません。デメリットは物が置けない、自炊が難しい、レイアウトが変えられないなど、いくらでもありますが、女性受けは著しく悪いです(笑)」(Fさん)

 ここで紹介した4人に共通するのは「若い頃の話」「荷物が少ない」「家にいる時間が短い」「友人関係に恵まれている」「期間限定」などだが、Fさんによれば「“いざとなったら自分は3畳の部屋で暮らせる”という感覚が養えたのは良かったです」とのこと。シンプルな生活をしたからこそ、培ったものは確実にあるようだ。(了)

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