一方で、「この子、テキトーに仕事しているな」と感じたら、「○○ちゃんと△△ちゃんはあなたより売ってるよ」など、あえて強い言葉をかけることもあります。ただしこういう厳しいことを言うためには前提条件があります。前もって、「浮ついているな、と思ったときはビシッと言うから、引き締めてね」と相手に伝えておくことです。こうしておけば信頼関係を保ったまま、「ウザい人」にならずに言うべきことを言えます。
キャバ嬢には褒めて伸びるタイプもいれば、褒めると調子に乗って努力を怠るタイプもいます。どのタイプか見極めて対応するように心がけています。もし、このとき具体的なアドバイスをするのであれば、次の出勤日など別の機会がいいでしょう。
私はキャバ嬢と話す時間を1回につき「15分まで」と決めています。そして話題は1回の会話に一つだけ。いろいろな話をしても相手の頭には残りませんし、長時間話しても、結局何を伝えたいのかが曖昧になるだけです。「早上がりしてほしいこと」と「売上アップのアドバイス」を話すタイミングは分けるべきです。
ミーティングにはなるべく長い時間をかけたほうがいいと考える黒服もいますが、それは間違っています。会話の時間と伝わる内容の濃さは比例しないのです。
【プロフィール】
黒服ムラカミ(くろふく・むらかみ)/1987年生まれ。ホテルマンやアパレル店員を経験したのち、愛媛や銀座のキャバクラ勤務を経て、千葉市のキャバクラ「Club Runway」の店長となる。13年間の黒服経験で接してきたキャバ嬢の人数は1万人以上。宣伝のためTikTokに投稿した「キャバクラあるある」「黒服の日常」などの動画が話題に。
※黒服ムラカミ・著『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』より一部抜粋して再構成