だがそれでも、お金持ちのところには、どこからかお金のにおいを嗅ぎつけた有象無象が集まってくる。実際に、詐欺に遭ってしまう人は少なくない。いわゆる「暗号資産ドリーム」や相続などでお金の使い方や守り方を知らないまま不意に大金を得た人は、特にねらわれやすく、だまされてしまうことも多い。
富裕層の海外移住をサポートするアエルワールド代表で、『日本のシン富裕層』著者の大森健史さんは言う。
「暗号資産で一挙に数億円を得たとある顧客の1人が、海外で詐欺に遭ってしまったことがあります。そのかたの妻が、そうとは知らずに詐欺師の妻と仲よくなり、友人として信頼して貸した多額のお金が戻ってこなかったそうです」
江上さんは「豊かになるために必要な4つの力」について語る。
「それは『稼ぐ力』『貯める力』『運用する力』そして『使う力』です。もっとも難しくて大切なのが、使う力を身につけること。本当に信頼できて価値のあるものだけに、時には思い切ってお金を使うのです。
イギリスのことわざに“人生を豊かにするには、最低3人の友を持て”というものがあります。1人目は医師(健康を守る)、2人目は税理士や会計士(資産を守る)、そして3人目が弁護士(法律のトラブルから守る)。信頼できる“友人”を見つけ、彼らからの情報やアドバイスに支払うお金を出し惜しみしないことが大切です」(江上さん)