もしあなたがご主人から全部を相続したと言っているのが、単に姪御さんから要求がなかっただけのことで、前述のような手続きをしていないというのであれば、ご主人の遺産をいまだ分割していないことになります。マンションも預貯金もご主人名義のままのはずです。
その状態であなたが亡くなれば、相続手続きは、まずご主人の相続(一次相続)から始めなくてはなりません。一次相続では、ご主人の姪御さんと、あなたに代わってその代襲相続人である甥御さんが分割協議をします。生前贈与など遺産分割に当たって特別受益として調整が必要な事情がなければ、姪御さんの相続分である4分の1とあなたの相続分である4分の3とで遺産を分割します。
そして、あなたが分割取得する相続財産(ご主人の遺産の4分の3)について、二次相続であるあなたの相続として、甥御さん2人が遺産分割することになります。
結局、ご主人の姪御さんが4分の1、あなたの甥御さんが4分の3の割合で相続しますから、甥御さんの方が取り分が多くなります。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2023年4月27日号