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大前研一「ビジネス新大陸」の歩き方

“健全経営の鑑”イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏が貫いた商人道 意見や提言は「とにかくメモ」

 また、伊藤氏は熱心にアメリカの流通業を研究していて、自社もアメリカの会社のように、業務のSOP(※/標準作業手順書)のシステムを作ることが重要だと考えていた。そして、部下の鈴木敏文氏(元会長・現名誉顧問)がアメリカ視察で見つけた「セブン-イレブン」がしっかりしたSOPを持っていたため、親会社の「サウスランド・アイス(現7-Eleven, Inc.)」とエリアサービスおよびライセンス契約を締結し、「セブン-イレブン・ジャパン」を設立して鈴木氏を担当にした。

 その後、鈴木氏は野村総合研究所と組んでPOS(販売時点情報管理)システムを導入するなどして、セブン-イレブン・ジャパンを国内トップのコンビニに育て上げた。伊藤氏と鈴木氏という2人のカリスマ経営者によって、セブン&アイHDは日本屈指の流通グループに成長したのである。

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『第4の波』(小学館)など著書多数。

※週刊ポスト2023年4月28日号

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