仕事量と責任から考えると、新人が一番“おいしい”
メーカーに勤務する20代男性・Bさんは、新卒入社6年目。Bさんの会社では入社5年目までの退社が多いという。その要因としてBさんは「独自の給与体系」をあげる。
「うちの会社は、入社1年目から5年目まで給料が固定で上がらない。それ以降は、微々たる昇給はあるものの、役職がつかない限りは大幅にアップしません。仕事量や責任から考えると、一番、給料的に“おいしい”のが入社1年目っていうのが笑えますよね」(Bさん)
そんなBさんの会社にも賃上げの波は来ているようで、初任給を「25万円」に引き上げることを検討しているという。ただ、入社1年目から5年目までの一律アップとはいかないようだ。
「25万円にするなら、2~5年目も連動してベースを引き上げてくれたらいいのに、どうやら既存社員には適用しないようです。『いいよな、お前らは』という嫉妬しかありません(笑)」(Bさん)
中途入社した社員たちの方が年収が高い
新卒だけでなく中途入社でも、同じようなことが起きているようだ。IT企業に勤務する30代女性・Cさんは、新卒入社した自分よりも、年下で中途入社した社員たちの方が年収が高い現実に困惑している。
「すごく優秀な人だったら文句はないんですけど、前職が大手企業にいたというだけで、そこまで仕事ができるとは思えない人もいて……。賃上げは大手から引き抜くためのものなのかなと思っていたら、そうではなくて中途入社全員に適応されているようでした。それなら私も中途で入り直したいくらい。スマホの乗り換えキャンペーンじゃないですけど、新規ユーザーは優遇されて、既存ユーザーは得をしない状況にそっくりですよね」(Cさん)
賃上げは嬉しいニュースのようだが、新卒社員だけに偏った賃上げなら、人材流出という“副作用”が出かねない。(了)