遅刻にとにかく厳しく直前に確認電話
予約の時間に、異様なまでに厳しい病院もあるようだ。都内在住の会社員・Cさん(40代男性)が、以前通っていた自宅近くの歯科医について話す。
「その歯科医は先生が1人しかいなくて、タイトなスケジュールで診察をしていたようで、とにかく予約の時間に遅れることが許されませんでした。
あるとき2分くらい予約の時間に遅刻してしまったら、受付の方に『絶対に遅刻しないでください』『診察時間はその分少なくなりますよ』などとすごい剣幕で怒られました。そのときは診察は受けられたんですが、別のときに仕事の関係で5分ほど遅れそうなことがあって、事前に遅れる可能性があることと、診察に影響はないかという電話連絡をしたら、『じゃあキャンセルしたほうがいいですね。次回の予約はどうしますか?』と言われました。5分でも融通が効かないのは、辛いなという感じでしたね」(Cさん)
とにかく時間に厳しい歯科医だったが、“意外なサービス”を受けたこともあるという。
「私が遅刻がちだと認識されてしまったんでしょうね。朝早い時間に予約を入れていたとき、その時間の15分ほど前に予約確認としてスマホに電話がかかってきました(笑)。事実上のモーニングコールです。そのとき、たしかに分刻みで動いている人たちにとっては、数分が影響することもあるのかなと思いました。今では、めちゃくちゃ真面目な歯科医院だったな、と思います」(Cさん)
“常連さん”が優先される
予約時間に厳しい病院がある一方で、予約があまり意味をなしていない病院もあるようだ。埼玉県在住の会社員。Dさん(30代女性)は言う。
「高齢者の方がたくさん通っている近所の開業医なんですが、予約を入れていても、“常連さん”が飛び込みで入ってくると、そちらを優先して診察するんです。先生がそれぞれの患者さんの状態をしっかり把握していて、症状などを見極めて、診察する順番を決めているようでした」(Dさん)
当初は不満に思っていたDさんだったが、自身も病院との関係性を深めていくことで、診察時間の融通が効くようになっていったという。
「私も何度か通っていくうちに、その病院のお医者さんや看護師さんと仲良くなってきて、少し融通を聞いてもらえるようになりました。仕事の都合で、診察時間に間に合わそうなときでも、診察時間外で見てくれることもありました」(Dさん)
良好な関係を築いてこそ、メリットが大きいのが街のお医者さん。最初こそ独自のルールに慣れないこともあるかもしれないが、「かかりつけ医」とはしっかりと信頼関係を築いておきたい。(了)