それが今やインバウンドで東京には観光客が殺到し、東京五輪までにホテルが約1万3000室足りないという試算もある。宿泊税の税収もうなぎのぼり。今や年間20億円にのぼる。
とっくに当初の目的を達成し、もはや客から宿泊税を取る必要はないはずだが、東京都は廃止するどころか、税収増にウハウハ、それを見た大阪府が来年1月から宿泊税を導入するなど、全国に新税創設の動きが広がりそうな気配なのだ。「民間税制調査会」共同代表の三木義一・青山学院大学学長(租税法)がいう。
「これまでは大阪で課税したら客が近隣の都市に逃げると思われていたが、外国からの観光客増加でその心配がなくなったのでしょう」
観光客を増やすための税が、“増えた観光客からぼったくれ”税に変質した。いまや国の役人も地方の役人も「取れる奴から容赦なく取れ」なのだ。
※週刊ポスト2016年12月16日号