何にお金をかけるかは、時代や各人の趣味・趣向で変わる。それなのに自分の価値観を押しつけるようとする人たちがいる。特にそれは、中高年の男性、つまり“おじさん”たちに多いのだとか。自慢話を交えながら、「もっとこれにお金をかけろ!」と若者たちにアドバイスするケースも少なくないようだ。そんなおじさんたちのアドバイスに辟易としている人たちに話を聞いた。
最低でも時計50万円、靴7万円、スーツ10万円
メーカーに勤務する20代男性・Aさんは、5年前に入社した際に50代男性上司から「身なり」についてアドバイスされたことを振り返る。
「上司から『スーツ、靴、腕時計にもっと金を使え』『社会人としてみっともないだろ』と言われ、ショックを受けました。上司曰く、最低でも時計50万円、靴7万円、スーツ10万円くらいはかけろとのこと。上司の時計は200万円もするらしくて、心底びっくりしました。しかも、上司は『ボーナスで買えるだろ?』と言ってきました。社会人ってそんなにお金かけるものなのかと衝撃を受けました」(Aさん)
上司の言葉を真に受けて不安になったAさんは、年の近い先輩に相談した。Aさん自身はブランドものに興味がなく、コスパや機能性を重視してアイテムを選んでいたからだ。
「靴は数千円のものを履いていましたし、時計については、時間はスマホで確認できるので必要性を感じていませんでした。先輩からは『清潔感さえあれば、自分が不要と思うものにお金はかけなくていい。それよりも体型維持、肌、歯にお金をかけた方がいい』と助言されて、気持ちが楽になりました」(Aさん)