大きなターニングポイントは、米大統領選である。大方の予想を覆してドナルド・トランプ氏が新大統領となった。トランプ氏が政策で重視するのは大規模なインフラ投資で、今後は飛行場や港湾、道路などの整備が急ピッチで進むだろう。
公共投資によって関連する建設業界などでは人手不足からブルーワーカーの雇用が増え、それが低所得者対策にもつながる。また高速道路などでは自動運転をはじめとした車道のIT化が進むことも予想される。
そうなれば、建設や建設機械といったレガシーな産業が潤うばかりか、IT系を中心とした成長産業のイノベーションを後押しすることにもつながり、一挙両得を狙えるのだ。
そのような好循環をもたらすインフラ投資は米国だけではない。中国では自国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)をテコに、アジアからヨーロッパにかけた広大なシルクロード経済ベルトを構築する「一帯一路」構想を進めようとしている。
ロシアでもシベリア鉄道の日本までの延伸計画が浮上しているように、いまや世界的な「インフラ大競争時代」が幕を開けようとしているのだ。