「個人資産だけで15兆円、しかも投資した株を長期保有するスタイルで知られるバフェット氏が来日し、世界に向けて『日本株が買いだ』とのメッセージを発した事実は大きい。世界中の投資家が『日本株を持たないとまずい』となるわけで、この変化はとても大きいと言えます」
それらの点を鑑みて、白木氏は今年度中(2024年3月まで)に日経平均が過去最高に近い「3万8000円」に到達する可能性があると見る。
「先ほど述べた日本株(TOPIX)の予想PERは、市場の評価が高まることで、現在の約12倍から過去10年の平均である14倍近くまで回復すると考えられます。そうなると計算上、日経平均は3万8000円という上値が見えてくる。
その前提のひとつとなるのが、早ければ今年9月にも始まると予想されている米国の利下げです。国際分散投資をする海外投資家は、米国の金融緩和をきっかけに、日本株を含めた世界中の株式を買い始めると予想されるからです」
そしてそこからさらに日本株は上昇を続けると見ている。
「2024年の米国の景気は今年後半より良くなると予想されます。日本の輸出産業などもその恩恵に与って評価が高まり、再来年(2025年)の1月から3月にかけて、TOPIXの予想PERが15倍まで拡大すると、計算上は日経平均4万円を突破することになるのです」
日本経済の置かれた状況は、数十年ぶりに大きく変わろうとしているのかもしれない。
※週刊ポスト2023年5月19日号