日本のGW期間は、中国でも労働節(メーデー)に伴う大型連休となっている。ゼロコロナ政策を撤廃したこともあり、日本にも多くの中国人観光客が訪れた。訪日観光客の数が増え始めると、大なり小なりトラブルは避けられない。
今年3月、中国向けマーケティング支援を行なう「ENJOY JAPAN」が中国在住の中国人に「行きたい国」をアンケートすると、日本がシンガポールを引き離して断トツだった。
こうした「日本待望論」を背景に、日本政府がコロナに関する対中国の水際規制を4月に緩和したことも相まって、団体客が規制されているいまも、中国人観光客は増加中だ。
大阪・道頓堀ホテルのマネージャーは、「5月はすでに9割近い予約が入っている」とした上で、次のように説明した。
「今年2月に中国系の旅行サイトと連携し、ホテルの予約が取りやすくなる宿泊予約券を販売すると購入者が殺到し、売り上げは3週間で4300万円を超えました。その旅行サイトには6億人の会員がいて、予約券販売を告知するライブ配信のピーク時の同時接続者は約200万人。やはりケタの違いを感じます」
ピーク時の2019年には年間約960万人、繁忙期には月に100万人以上が来日した中国人観光客。日本政府がインバウンド需要を見込んで規制緩和する一方で、全国ではトラブルが起こり始めていたのだ。
買い占めから転売ヤーへ
ゼロコロナ政策撤廃後、中国人の「リベンジ消費欲」は高まっている。そこで浮かび上がるのが、中国人観光客の特技である「爆買い」だ。
先のアンケートでも「訪日の目的」は「買い物」が「食事」を引き離してトップだったが、爆買いトラブルの予兆がすでに見られるという。
「もともと中国では日本の市販薬の人気が高いうえ、コロナによる品薄が後押しして訪日客が日本の薬を買い占めるようになった。ゼロコロナ緩和が進んだ今年2月には訪日客の爆買いにより、ドラッグストアやコンビニで解熱剤や風邪薬、のど飴などの売り切れが続出し、購入を1点に制限する店が出ました」(在日中国人記者)