客からの理不尽なクレームや絡みに疲れ果てる
客による理不尽なクレームや態度も、飲食店でアルバイトすることのハードルのひとつになっているようだ。20代女性・Bさん(IT企業勤務)は、学生時代に家の近くの居酒屋でアルバイトをしていたが、そのままコロナ禍に突入。緊急事態宣言で飲食店が休業し、一時的に仕事もなくなったが、「飲食店が営業再開した時は、もうやらないと決めていました」と振り返る。
「もともと人と話すのが好きで居酒屋のバイトを選んだのですが、コロナ禍でその店が休業することになって、自動的にバイトもなくなりました。まずそのとき、アルバイトという身分の不安定さを痛感しましたね。その後、時短で営業自体は復活したのですが、なんかもう疲れちゃったというか……。飲食店は時間にシビアで、なかなかの肉体労働なうえに、お客さんとのやり取りも大変でした。
一番嫌だったのは、割と上の世代の男性が絡んでくることです。注文やメニューとは関係ない話をし続けてきました。忙しい素振りを見せようものなら、『接客がなってない。店長を呼べ!』などと怒鳴られる始末。コロナ禍になった直後は、『マスクとって顔を見せて』というお客さんも多くて、嫌でしたね」(Bさん)
居酒屋バイトを辞めた後、Bさんはスーパーやコールセンター、インターンとしてIT企業で働いた。本人が自覚せずとも、飲食店の経験が活きたこともあった。
「居酒屋でアルバイトしていたせいか、スーパーでは『人当たりが良い』『元気いいね』とよく言われます。コールセンターとインターンでも、『人の目を見てハキハキ話すし、しっかり挨拶するね』という評価をしてもらえたのは、やっぱりそういった経験があってこそなのかな、と思います」(Bさん)