映画館といえば、誰かと一緒に行くところというイメージを抱いている人もいるだろうが、実態はそうでもないようだ。「KIQ REPORT」が2022年9月、「映画館に誰と行くか」を調査したところ(全国の15歳以上の男女775名の映画ファン=半年に1本以上劇場で映画鑑賞をする人を対象)、最も多かったのは「ひとり」(37%)という回答だった。これは家族や恋人・配偶者、友人よりも多かった。映画館に一人で行くという人たちに、その理由を聞いてみた。
映画鑑賞後に語り合う“感想会”が苦手
IT企業に勤務する40代女性・Aさんは、誰かと映画館に行くことが苦手だ。
「映画はエンドロールを見ながら、余韻に浸りたい。相手がいると、エンドロールまで見るタイプなのかどうなのかとか、いろいろ考えてしまって、落ち着かないんです」(Aさん)
Aさんは、「映画館は暗くて一緒に行った人の表情は見えず、リアルタイムでお互いが面白いと思うポイントがわかりづらい。その答え合わせとして、映画鑑賞後に“感想会”という形で、語り合うことがセットになっているのが苦手」という。
「以前、男性と映画を見た後、お酒を飲むことになりました。私が映画の感想をあまり話さなかったので、男性から『つまらなかった?』と言われてしまいました。別にそういうつもりではまったくなく、感想をどこまで言ったらいいのかわからないんですよね。『すごく面白かった』というレベルでいいのか、『○○の演技が素晴らしかった』みたいに、ちょっと熱っぽく語るべきなのか。余計な気を使ってしまい疲れてしまう」(Aさん)