80才からの夢の暮らしのため働ける限り働く
身を粉にして働き、節約を続け、11年でローンを繰り上げ完済したのが50才のとき。まさにゼロからのスタートとなった年齢だ。
しかしその後も働くペースは落とさなかった。芸能界の仕事に加え、自らレンタルスタジオもオープンした。
「借金返済の日々はつらくて、子供たちに当たったこともありましたが、あのときについた“がんばり癖”と、ひとりでやり遂げられたという自信は誇りになっています。いまの目標は80才で希望している老人ホームに入ること。それに向かってがんばって貯金をしています。子供に頼っていたらいけませんからね。
ひざが痛い日もありますが、“働かないと入れないから、今日も戦うぞ”って毎朝家を出るとき自分を鼓舞しています。自分に負けないようにね」
貯金がなくて不安なら、何も考えず、とにかく働くことをおすすめするという。
「何でもプラスに考えるといいと思うんです。職場の人間関係に悩んだら、人間力を鍛える機会を与えてもらっているんだと思って感謝する。時給が低くたって積み重ねれば絶対にプラスになる。人生、働く人の勝ちです」
そう言って笑うが、そのバイタリティーは借金返済の苦労が下地になっている。50代でゼロからのスタートでも遅すぎることはないのだ。
【プロフィール】
水沢アキ/17才で女優、18才で歌手としてデビュー。ドラマ『太陽にほえろ!』(NTV系)や『聖者の行進』(TBS系)、大河ドラマ『風林火山』(NHK)などに出演。現在はバラエティー番組などで活躍するかたわら、レンタルスタジオのオーナー業も行う。
取材・文/桜田容子
※女性セブン2023年5月25日号