安倍晋三・元首相の一周忌(7月8日)が近づくなか、安倍家では遺産相続の手続きが着々と進められていた。まず下関市の高台に建つ時価2億円ともいわれる邸宅(敷地約1000坪、延床面積約633平米)と安倍家代々の墓所がある長門市の土地は昭恵夫人が相続していたことがわかった。
安倍氏が来日したインドのモディ首相を招待するなど外交や政治の舞台にもなった山梨県鳴沢村の別荘は、昭恵氏がいったん相続したあと、「令和4年11月13日」に昭恵氏から義兄(安倍氏の実兄)の寛信氏に贈与されていた。
また、安倍家の最大の資産といえば、安倍氏の私邸で現在も昭恵夫人が生活している東京・渋谷区の高級住宅地の地上3階、地下1階の自宅だが、この「資産価値20億円」ともいわれる豪邸は、土地と建物の全ての権利が寛信氏とその資産管理会社に移されていた。
〈いつも居ませんので〉
下関の邸宅を相続した昭恵氏は、いずれ、東京から拠点を移すつもりなのだろうか。下関には自ら無農薬の「昭恵米」を育てている「昭恵農場」があり、地元で様々な活動を行なっている。
本誌・週刊ポスト記者が取材を申し込むために下関の安倍邸を訪ねると、郵便受けに思いがけない達筆の張り紙があった。
〈配達の方へ
いつも居ませんので、郵便物で印カンや速達等がありましたら連絡して下さいませ〉
その下に電話番号が書かれていた。電話して昭恵氏が戻る予定を尋ねると、“留守を預かっている”という女性がこう語った。
「今はいませんよ。東京にいます。4月は(補欠)選挙もあってここに居たのですが、5月は今のところ来る予定がありません。6月はわからないので、東京のほうで聞いてください」