時代を代表する作家であり、豪腕を振るう政治家であり、繊細な父親でもあった石原慎太郎さんが亡くなった。残されたのは、2億円をゆうに超えるとされる田園調布の豪邸だ。石原さんには、長男・伸晃(64才)、次男・良純(60才)、三男・宏高(57才)、四男・延啓(55才)の4人の息子たちがいる。はたして遺産相続問題はどうなるのか。【前後編の後編。前編を読む】
実は石原さんは、豪邸の処遇について希望を持っていた。
「4兄弟に対しては厳しくも愛情を持って接していましたが、特に、晩年の自身の身の回りのことに気を配ってくれた良純さんと延啓さんに信頼を厚くしていたようです。一方、伸晃さんと宏高さんに対しては、同じ政治家の道を選んだこともあり、“努力が足りん”と厳しい評価を下すこともあったみたいですね。だからでしょうか、自宅不動産については、『良純さんに受け継がせたい』という希望があったそうです」(政治ジャーナリスト)
もちろん、ほかの相続人たちが納得すれば話はまとまる。
「ですが、伸晃さんも宏高さんも、今後政治活動を続けていくためにはまとまった資金が必要ですし、やすやすと受け入れることはできない」(前出・政治ジャーナリスト)
司法書士法人ABC代表の椎葉基史氏が語る。
「1人の相続人が不動産を相続する場合には、『代償交付金』と言って、ほかの相続人が受け取れるはずだった分を現金で“精算”することも可能です。ただし、不動産価値が高い場合、多額の現金が必要になるので、そう簡単ではありません」
不動産を相続すると、今後長期間にわたって固定資産税も課されることになる。だからなのだろうか、「当の良純さんは不動産をもらうことに二の足を踏んでいるようだ」(前出・政治ジャーナリスト)という。