政策金利上昇がもたらした副作用とは
2022年にアメリカ経済でいちばん懸念されたのは、物価の上昇スピードでした。コロナからの急激な経済再開による供給不足、人手不足、さらにウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰など、複数の要因がかさなり未曾有の物価上昇率となりました。
FRBは物価上昇を抑え込むために、去年1年で4.25%も政策金利を引き上げ、今年に入っても利上げを継続。直近5月のFOMCでも0.25%の利上げを行なっています。インフレ率はやや鈍化の傾向が見られますが、引き続き高い状況で、予断を許しません。
金利上昇の副作用として、アメリカ経済が深い景気後退に陥ってしまうかもしれないという懸念も出てきました。意図的に景気を冷え込ませ、物価の上昇を抑え込もうとしたのですが、その効果が効きすぎてしまうかもしれないのです。
もうひとつ大きな悪影響がありました。金利が上昇したため、債券価格が下落し、それらを多く保有する銀行が信用不安に陥ってしまったのです。シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに、いくつかの地銀が破綻し、まだその余波は完全には収まっていません。
景気を犠牲にするか、金融不安を犠牲にするか、どちらもうまく舵取りしながら政策金利を調整しなくてはいけない厳しい局面になっています。
FOMCのスケジュール
そんな緊迫した状況のため、次のFOMCでは金利を引き上げるのか、ストップするのか、いつ金利引き下げに転じるのか、侃侃諤諤となっています。
FOMCは年8回、以下のスケジュールで行われます。
第1回:1月31日、2月1日
第2回:3月21日、22日
第3回:5月2日、3日
第4回:6月13日、14日
第5回:7月25日、26日
第6回:9月19日、20日
第7回:10月31日、11月1日
第8回:12月12日、13日
すでに今年は3回目まで終わっており、次回の第4回では、利上げが打ち止めになるのではないかと予測されています。
FOMCの政策決定には、その間に発表される雇用統計や、CPIの数字が参考にされます。これらについては過去記事で紹介していますので、参考にしてください。