一方、セ・リーグを制した広島は「デフレ脱却のシンボル」的存在だ。過去に広島がリーグ優勝した6回の暦年の名目GDP成長率の平均値は7.4%で、Aクラス入りした年の平均値でも5.8%と高い成長を示している(全期間平均は3.3%)。
1997年のAクラス入りを最後に成績が低迷すると、日本経済も長いデフレ局面に突入している。
そしてデフレ脱却を目指すアベノミクスが本格スタートした2013年にようやくAクラスに復帰、この年の名目GDP成長率は0.8%となった。広島がAクラスにあるときにはマイナス成長は一度もないのだ。
ちなみに広島の優勝はバブル景気がピークを打った1991年以来、25年ぶりだ。こうしたバブル景気以来の良い数値を示す経済指標はほかにも複数見られる。
9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.38倍となったが、これは25年ぶりの高水準だ。文科省が発表する高卒者の就職内定率は2016 年3月末で97.7%で、こちらは24 年ぶりの良い数値となった。
さらに、2016年上半期の企業倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は4273件で、上半期としては26年ぶりの低水準を記録している。2017年もデフレ脱却のシンボルである広島が連覇すれば、アベノミクスの先行きに明るい兆しが見えてくるかもしれない。