岸田文雄首相が看板政策に掲げる「異次元の少子化対策」だが、その財源がどのように捻出されるのかに注目が集まっている。ここにきて浮上しているのが、関連予算を一元的に管理するために「新たな特別会計を設ける」というプランだ。
〈「異次元の少子化対策」新たな特別会計検討 財源に社保料上乗せ案〉(毎日新聞ウェブ版、5月16日付)などと報じられているが、国民所得に占める税金・社会保険料の割合はすでに46.8%に達し、「まるで江戸時代の五公五民」といった批判があるなかで、さらなる負担増に国民の理解が得られるのかは不透明だ。
異次元の少子化対策は児童手当の支給対象の拡大などが柱とされているが、岸田首相は政策の叩き台を先に打ち出し、数兆円とされる財源の議論は後回しにされてきた。しかし、6月にまとめる経済財政運営の指針である「骨太の方針」では、少子化対策の財源についても言及が必要とされ、いよいよ議論が本格化しそうだ。
現状では、厚生労働省やこども家庭庁など複数の省庁が異なるかたちで子ども関連予算の財源を調達している。そうした収支をわかりやすくするために特別会計を新設するという話なのだが、ネット上では〈むしろ裏帳簿になるんじゃないか〉〈結局、負担ばかり増える話なのは変わらない〉といった声があがり、本当に収支が明確になるのか、懸念が飛び交っている。