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異次元の少子化対策財源に「新たな特別会計」案が浮上 負担増前提のうえ“裏帳簿”になる懸念も

「塩爺」こと塩川正十郎氏も特別会計の複雑さを揶揄していた(Getty Images)

「塩爺」こと塩川正十郎氏も特別会計の複雑さを揶揄していた(Getty Images)

「母屋でおかゆ、離れですき焼き」

 実際、「特別会計」での管理に“わかりやすい”というイメージがないのはたしかだろう。ベテラン政治ジャーナリストはこう言う。

「国が特定の事業や資金について、『一般会計』と区別して管理しているのが『特別会計』です。昨年、急激な円安が進んだ際には政府が為替介入に用いた『外国為替資金特別会計(外為特会)』などが話題になりました。

 特定の目的のための資金を一般会計と区別するという話だが、一般会計に注目が集まりがちなうえに資金の流れが複雑なため、様々な問題の温床ともなってきた。2003年には当時の小泉政権で財務大臣を務めた塩川正十郎氏が、一般会計に比べて特別会計の歳出改革が進まない状況を『母屋(=一般会計)でおかゆをすすっている時に、離れ(=特別会計)ですき焼きを食べている』とたとえたこともあった。

 その後、特別会計の統廃合などが進められたが、2011年に東日本大震災が起きた後に復興予算を管理するために設けられた特別会計では、調査捕鯨支援など震災復興とは縁遠い事業が含まれていた『復興予算流用問題』にも批判が集まった。そうした経緯があったうえで、“特別会計で収支をわかりやすくする”と言われても、首を傾げたくなる人が多いのは当然でしょう」

 そもそも、特別会計で管理するか以前に、「社会保険料の上乗せ」で少子化対策の財源が賄われることにも批判の声は大きい。5月9日は総務省が2022年度の家計調査を発表したが、〈保険料・税負担、20年で1.4倍 昨年度家計調査〉(5月10日、日経新聞電子版)などと報じられている現状がある。6月からの電気料金値上げなど、物価高の嵐が収まらないなかでのさらなる負担増に、批判が巻き起こるのは必至だろう。岸田政権がどのように国民に説明していくのか、注視しなくてはならない。(了)

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