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【日本株週間見通し】今週の東京株式市場は上昇一服か 小休止を予想

 今のところさほど株式市場に影響を与えていないが、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測の高まりも見逃せない。先週は連銀総裁から利下げはおろか、追加利上げを示唆する発言が相次いだ。市場は前回の5月会合での利上げ停止と年末までの2-3回の0.25ポイントの利下げを予想していたが、こうした期待は修正を迫られ、金利先物市場が織り込む利下げ予想は年1-2回に変わってきている。ただ、依然として利下げを織り込む予想はFRBのスタンスと比べて楽観的と言わざるを得ない。また、仮に債券市場が織り込むように本当に年内に利下げが実施されるとすれば、それは金融危機の再燃や景気後退の深刻化が実現した場合であろう。これらが実現するのであれば今の株式市場も楽観的と言わざるを得ない。他にも、年初の株高をけん引してきた中国経済の回復期待も剥落している。

 こうした中、今週は23日に米5月購買担当者景気指数(PMI)が発表される。先週に発表された米経済指標は総じて底堅く、経済のソフトランディング期待が高まっている。今回のPMIを受けて景気後退懸念が再燃するのか、それともソフトランディング期待がさらに高まるのかに注目だ。ただ、後者の場合にはFRBの追加利上げ観測は一段と高まるだろう。また、米国では24日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(5月2-3日開催)が公表されるほか、26日には米4月個人消費支出(PCE)コアデフレーターが発表される。FRBの追加利上げ観測が高まるなか、これらの内容・結果を受けた市場の反応が注目され、投資家の様子見ムードを誘いそうだ。

 24日に発表される米半導体メーカー、エヌビディアの決算も重要だろう。年後半の市況底入れや生成AI(人工知能)需要への期待感などを背景に同社株価は上昇トレンドを形成している。ただ、株価は2022年10月安値からすでに3倍近い水準にまで上昇し、21年11月高値を窺う展開となっている。日本の半導体企業でもアドバンテスト<6857>やディスコ<6146>は上場来高値圏にある。これまで半導体を中心としたハイテク株が指数をけん引してきただけに、エヌビディアの決算を機に一段高となるか、利食い売りが強まるかは今後の市況全体のムードも左右しよう。

 先週半ば以降、東証プライム市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がほぼ拮抗するなか、値がさ株など指数寄与度上位の銘柄の上昇が指数をけん引するなど、それまでの現物主体の動きから先物主導の動きに変化しつつあることも気掛かり。実際、18日から先物の取引高は急増している。日経平均のバブル崩壊後の最高値更新および現物買いの一服感により、目先は大幅調整とまでは至らずとも小休止となることを想定しておいた方がよいだろう。

 今週は22日に3月機械受注、23日に4月全国百貨店売上高、米5月製造業PMI、米4月新築住宅販売、24日にFOMC議事録、25日に米1-3月期GDP改定値、26日に5月都区部消費者物価指数、米4月PCEコアデフレーター、米4月耐久財受注、などが予定されている。

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