消費者物価指数(CPI)は2.1%で9月と比べ0.2ポイント上昇した。また、工業品出荷価格指数(PPI)は1.2%上昇で9月と比べ1.1ポイント上昇している。
工業品出荷価格指数は2012年3月から2016年8月に至るまで4年半もの間、マイナスが続いた。川上製品に限れば、デフレに陥っていたわけだが、それが9月以降、解消されている。
11月の物価統計は12月9日に発表予定であるが、CPIについては本土証券会社による市場コンセンサスは2.2%上昇で、10月よりも0.1ポイント上昇、PPIについては2.1%上昇で10月よりも0.9ポイントも高い。11月も物価の上昇が予想される。
“全て総需要が回復しているからだ”といいたいところだが、そうではない。
人民元は事実上、通貨バスケットによる為替決定メカニズムによって決定されている。アメリカの景気見通しの改善、金利上昇見通しの高まりなど、ドル高要因が強まる中で、人民元はドルに対して安くなる傾向にある。また、7月以降、石炭、鉄鋼、一部の非鉄金属などの価格が上昇している。この点については、実需の回復というよりも、供給側の縮小であったり、幾分投機的な動きであったりする。