税や社会保険料の国民負担率は、2022年度に47.5%となるなど、まるで江戸時代の「年貢」並み。そうしたなか、独自の補助・助成金の給付で住民を支援する自治体が増えている。
現役時代と異なり、仕事をリタイア後は定期健診が疎かになりがちだが、脳ドック受診助成(東京都荒川区)やPET-CTがん検診の助成(島根県浜田市)など、高齢世代の健康維持に役立つ助成制度もある。
高齢者を直接対象にしたものでは、高齢ドライバーの運転免許返納で公共交通機関などの利用券が数万円分もらえる制度(山形県寒河江市)や、高齢者の補聴器の購入費用助成(和歌山市)などがある。
国の政策とリンクし、省エネ・エコ家電、自転車用ヘルメットの購入補助を行なう自治体も多い。当然、これらの制度の多くは自治体住民など利用できる対象が定められているので、他の自治体に住む知人や親戚など、対象外の人のための代理購入や転売は御法度である。アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士はこう指摘する。
「転売等を目的に補助・助成金を申請した場合は詐欺罪に問われる可能性が高いと言えます。ただ、近年は自治体側も詐取されないよう対策しており、例えばエアコンなど家電製品の購入補助を受ける場合は、事前に見積書の写しを提出し、設置後の写真など実績報告書類を提出しないと補助金が下りない“後払い“の仕組みを取る自治体が大半のようです」
「お得だから」と軽い気持ちで代理購入などを請け負うと大きな代償を払うことになりかねない。