万引きを疑って声掛けすると怒り出すケースも
一方で、セルフレジを悪用した「万引き」も増加傾向にあるという。別の都内スーパーの40代男性店長の話。
「バーコードの読み取りミスなどから『誤って精算前の商品を持ち出してしまった』というケースが増えています。店側も、マニュアルで定めた“特に不審なケース”ではお客様に声掛けしますが、“うっかり”の場合もあるので、判断が難しい。そうしたケースはお客様が“あらぬ疑いをかけられた”と怒り出すなどしてトラブルになりやすく、悩ましい問題です。精算を巡るトラブルは、有人レジ時代に比べて圧倒的に増えていますね」
5月14日には和歌山市のスーパーで、商品に「半額シール」を不正に貼り付け、セルフレジで精算した男性が電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されたことが話題になった。そうしたセルフレジを悪用しようとする行為を監視しながら、“単なるうっかりではないか?”と気遣うことの負担は決して小さくないだろう。
客側は精算時のトラブル防止にレシートの確認を
もちろん、消費者の嘆きの声も聞こえてくる。70代後半の男性がぼやく。
「どの店でも私が操作していると店員さんが駆け寄ってくる。恐らく、『レジの使い方が分からない爺さん』『精算ミスをする』と思われているからでしょう。これが不愉快でたまらない(苦笑)。初見の店で、勝手が違うセルフレジの操作にまごつき、後ろの若い客から舌打ちされたことも。以来、自分は近所の店しか行かなくなりました。日常使いしていた飲食チェーンでもタッチパネル注文が導入され、ハードルが高くなった感じ。気軽に買い物や食事が出来なくなってきたなぁ……」