「改葬して墓じまいをすることが多いのですが、改葬だけをすることもある」そうで、たとえば、夫を亡くして、とりあえず故郷にある先祖のお墓に納骨させてもらっていたが、新しいお墓の準備ができたのでお骨を移す、といったケースがそれにあたる。
改葬・墓じまいの進め方
【1】墓じまいの方向性を決める
墓じまいをしようと思ったら、まず必要なのは関係する家族・親族との話し合いだ。
「すでにお墓に関わる人間は自分だけ、というのであれば問題はないでしょう。しかし、兄弟姉妹・親族が関わってくる場合、お墓に対する思いや供養への考え方はそれぞれ異なります。関係者の間で合意ができていることが大切です」
また、墓じまいをした後、お骨をどこに埋葬するのかによって、手順や費用が変わる。どういう墓じまい・改葬をするのか、その方向性を事前に決めておくことは大切だ。
【2】墓地の管理者へ相談
次に行うのは墓地の管理者へ相談だ。寺院の墓地であれば住職、公営墓地や民営霊園だったら管理事務所となる。
「あまり多くはありませんが、地域の集落の墓地だと自治会に管理者がいたり、行政が管理していたりケースバイケースです。場合によっては、『管理者がわからない』ということもあるでしょう。その場合は、その墓地がある市区町村役所に相談しましょう」
【3】お骨の引っ越し先の準備
もとある墓地から出したお骨を次はどこに埋葬するのか、「引っ越し先」を決めておく必要がある。その候補となるのはおもに「霊園・墓地」「納骨堂」「樹木葬」「共同墓」の4つと、あとは「散骨」だ。
「引っ越し先の目処をある程度、決めておかないと、トータルの予算感がつかめないので、先に進めることができません。埋葬の方法や供養の形はさまざまあります。自分たちにとって大切なポイントはなにかを考え、引っ越し先を決めていきましょう」