元コメディ俳優のゼレンスキー大統領は、“第1幕”でミンスク合意を反故にしてロシアの侵攻を招いた。“第2幕”では戦時の指導者としてよくやってきたが、このまま徹底抗戦を続け、クリミア半島まで奪還すると主張していたら戦争がいっそう泥沼化するだけであり、着地点が見えない。
だから“第3幕”ではシナリオを変え、一刻も早い停戦・和平への道を模索するという役割を演じなければならないと思うのである。
【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『世界の潮流2023~24』(プレジデント社刊)など著書多数。
※週刊ポスト2023年6月23日号