2018年に日本を訪れた外国人観光客が3000万人を突破し、政府が掲げる「2020年に4000万人」という数字がいよいよ現実味を帯びてきた。しかしそれだけ外国人が増えればトラブルも起こるはず。都内のあるラーメン屋では日々、外国人客にまつわる“事件”が発生しているという。
そのラーメン屋は、都内の巨大ターミナル駅から徒歩数分という絶好の立地にある人気店。ランチタイムには店外にまで行列ができる同店は、ここ2~3年で外国人客が一気に増えたが、トラブルは少なくないそうだ。店員のKさんが語る。
「イスラム系のお客様のトラブルは定期的に発生します。『チャーシューはいらない』というので、チャーシュー抜きのラーメンを出したものの、食べ終わった後に豚骨スープだということを知って愕然とした人。餡に豚と牛の合いびき肉を使っているのを知らずに餃子を食べてしまった人。担々麺を注文した後、中に入っているひき肉が豚だというのを知り、手を付けずにガックリして帰っていった人など、これまで数回ありました。同業者に聞いた話だと、戒律が厳しい国だと料理酒を使うのもダメみたいです」
つい先日、人気ラーメンチェーン店の「一蘭」が、「豚をまったく使わない豚骨ラーメン」を開発して話題になったばかりだが、「正直、そこまで対応しきれない」(Kさん)というのが個人経営の店の実態だそう。一方では、ラーメンを気に入ってくれたのはいいが、質問攻めで店員を困らせる外国人客もいるそうだ。