1株から買える「単元未満株取引」
だが、いざ投資を始めようと思っても、いくつかのハードルがあるのも事実。その最たるものは「元手がないこと」ではないか。
株式投資は「単元=100株」からの購入が原則。例えば現在1株約2000円のトヨタ自動車なら、100倍の20万円が必要になる。
そうしたなかで初心者でも手掛けやすいとして注目が集まっているのが、ネット証券を中心に取り扱いが増えている、1株から株が買える「単元未満株取引」だ。正式には1株単位が「単元未満株」、単元の10分の1の10株単位が「ミニ株」と呼ばれている。
単元未満株取引は、あらかじめ決まった時間内に、そのときの株価で売買するのが基本。9~15時までの相場が動いている間ならいつでもリアルタイムに取引できる通常の株取引とは異なり、多少の不便がある場合もあるが、証券会社によっては上場している全銘柄を取り扱っていることもある。
特に、楽天証券が1株から投資できる「かぶミニ(TM)(単元未満株取引)」を4月にスタートさせ、2024年から開始する「新NISA(少額投資非課税制度)」に対応するほか、SBI証券でも「S株(単元未満株)」の買付手数料を完全無料化したうえで、売却手数料の「全額キャッシュバックキャンペーン」を行っている。各社が顧客獲得に動いているいまは、お得に始めるチャンスと言えるだろう。
ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。
「単元未満株なら、まとまったお金がないと手が出せないような、株価の高い大企業や有名企業にも手が出ます。世界の時価総額ランキング100位以内に入っている唯一の日本企業であるトヨタ自動車の株主にもなれる。1株でも、株主であることに違いありません。
この機会に証券口座を開いておけば、新NISAでも役立つはず。しっかり目標を持って資産形成していく、いいきっかけになると思います」