「第3子」の定義は?
岸田首相が挙げた「最大400万増額されて1100万円になる」とは、下記のような計算に基づくものと考えられる。
●現行制度で3人の子供がいる場合
第1子について
・0~3歳未満=54万円(月額1万5000円(年18万円)×3年間)
・3歳~小学校修了前=108万円(月額1万円(年12万円)×9年間)
・中学生=36万円(月額1万円(年12万円)×3年間)
第2子について
…第1子と同じ
第3子について
・0~3歳未満=54万円(月額1万5000円(年18万円)×3年間)
・3歳~小学校修了前=162万円(月額1万5000円(年18万円)×9年間)
・中学生=36万円(月額1万円(年12万円)×3年間)
【3人の子供の合計=648万円】
●新制度で3人の子供がいる場合(高校生=月額1万円、第3子=年齢問わず月額3万円)
第1子について
・0~3歳未満=54万円(月額1万5000円(年18万円)×3年間)
・3歳~小学校修了前=108万円(月額1万円(年12万円)×9年間)
・中学生~高校生=72万円(月額1万円(年12万円)×6年間)
第2子について
…第1子と同じ
第3子ついて
・0歳~高校生=648万円(月額3万円(年36万円)×18年間)
【3人の子供の合計=1116万円】
こうした計算を前提に岸田首相は〈3人のお子さんがいるご家庭では、お子さんたちが高校を卒業するまでの児童手当の総額は、最大で約400万円増の1100万円となります〉と言っているのだろう。しかし、疑念が拭えない。それは「第3子」の定義を巡る問題だ。前出のベテラン社労士が言う。
「現行制度でも『3歳~小学校修了前』の児童手当は第3子以降の増額があるが、3人きょうだいであっても、1番上の子が高校を卒業した歳になると、2番目の子が『第1子』になり、3番目の子は『第2子』と扱われるのです。3番目の子が『第3子』として扱われる期間が限られる仕組みになっているということです」(同前)