住まい・不動産

「実家が不審者のアジトに」「シロアリが繁殖し隣家まで」… 不動産エージェントが見た「空き家トラブル」の恐ろしさ

 また、マンションの場合、空き部屋の修繕積立金を滞納してしまうケースもあります。滞納すると年10数%の遅延損害金がつき、複利で増えていきます。「修繕積立金なんてたかが数万円」と思っていると、思わぬ金額に膨れ上がることもあるのです。

 他にも、相続や、元の所有者の施設入所などで、所有者・入居者が変わったことを、管理会社に通告せず、トラブルに発展するケースもあります。

「売るのか貸すのか」方針をはっきりさせる

 このように、空き家の放置でトラブルに発展するケースは枚挙に暇がないのですが、「実家を相続したものの、どうしていいかわからない。売ろうにも思ったような価格で売れない」と、そのまま放置してしまう人は少なくありません。

 トラブルを避けるためには、空き家を売るのか、貸すのか、方針をはっきりと決めておくことが大切です。どうしてよいかわからないから放置しておく、というのは最悪の選択になります。

 もちろん、売却する方針を決めたとしても、簡単に売却できるわけではありません。特に、実家を離れて何十年も経過していると、実家のまわりの不動産価格の相場がわからないケースも多く、不動産会社が提示する金額が適正かどうか判断できないこともあるでしょう。

 そうした場合は、信頼できる不動産エージェントを見つけて、相談することをおすすめします。売却価格が相場から見て高いか安いか、そもそも売れる可能性があるのか──。自分ひとりで判断せず、プロの意見を参考に対応することが、空き家トラブル回避のための、第一歩だと思います。

【プロフィール】
山本直彌(やまもと・なおや)/らくだ不動産副社長執行役員。不動産仲介会社、大手マンション管理会社を経て、より透明性が高く、顧客目線に立った不動産取引を目指して、2020年よりらくだ不動産に参画。現在、副社長執行役員を務める。各種媒体への寄稿・情報提供のほか、Youtubeチャンネル「らくだ不動産」でも情報発信をしている。らくだ不動産ホームページ:https://www.rakuda-f.com/

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