電気代の高騰が止まらない。6月から、東京電力管内では平均15.9%の値上げだ。だが明細を見て「むしろ安くなっているのでは?」と首をひねる人もいるだろう。
実際に一般的な家庭の消費電力(260kWh)で見た場合、昨年6月の月8565円から今年6月は月7690円と、数字の上では値下がりしていることになるが、そこにはカラクリがある。消費生活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが解説する。
「電気代が急激に値上がりしたことから、いまは緩和措置で1kWhあたり7円の補助があるのです。そのため、一般的な家庭では月1820円引かれていますが、これは一時的な措置です。本来の電気代は月9510円なので、昨年6月より10%以上は上がっていることになります」
加えて今年も猛暑が予想される。緩和措置に気づかず“それほど値上がりしないのかも?”と対策を怠れば、夏の終わりに届いた請求書を見て、青ざめることになる。夏本番を迎える前に“闘い”に備えておこう。
エアコンを制する者が夏の節電を制す
夏の電力消費の6割近くはエアコン、冷蔵庫、照明器具という、3つの家電が占めているという。それならまずは、なんとしてでもエアコンを“攻略”しなければならない。
家事アドバイザーでAllAbout節約ガイドの矢野きくのさんは、真っ先に取り組むべきなのは「フィルター掃除」だと断言する。
「月に1、2回、フィルターを掃除するだけで、年間約990円の節約につながります。使用頻度によっても違うので、ペットがいる家庭などは週1回に増やしてもいい。ただしフィルターを洗ってすぐに装着すると故障やカビの原因になるので、しっかり乾かしてからにしてください」