ムダな開閉を減らせば、設定温度を上げても食材が傷む心配は減る。「強」から「中」にするだけでも、年間約1910円もの節約になる。
詰め込みすぎてはいけないのは、冷蔵庫だけでなく洗濯機も同じだ。
「洗濯機も乾燥機も、衣類を容量いっぱいまで入れると洗ったり乾かしたりするのに時間がかかるといわれ、余計な電力消費につながります。特に洗濯機はドラム式も縦型式も、洗濯と乾燥で容量が異なる場合もあるため、いずれにしても容量の8割程度までにするのがいいでしょう」(矢野さん)
雨が多いいまの時期は、浴室乾燥機を使う機会も増えるが、これは「ドライヤーの温風強モードと同じくらい電気を消費する」と、丸山さんは言う。
「浴室乾燥機能はやむを得ない場合のみ使い、乾燥機を購入した方がお得です。ヒートポンプ式のものなら、電気代は比較的安い」(丸山さん)
一方、電気ケトルや炊飯器などの待機電力は、気にしすぎない方がいい。ただし「保温機能」は別だ。
「炊飯器の保温機能や温水洗浄便座の暖房などは、意外と電力を使います。小分けにして冷凍したご飯を解凍する電子レンジの電気代の方がずっと低い。便座には100円均一で貼るタイプの便座シートを買えば、冷たさも気にならなくなります」(丸山さん)
最終手段は家電の買い替え
電力自由化に伴い、新電力会社に乗り換える動きが高まった。しかし、これほど電気代の値上げが相次いでいる状況では、新電力のほうが大手よりも電気代が高くなる傾向があるという。
いま、大手で契約しているなら、電力会社はそのままにして、都市ガスとのセットで割引が受けられるプランなどに変更するのがベスト。または、生活スタイルに合わせてプランを見直すのもいい。
「日中は家を空けているなら、選べるようなら夜間の電気代が安くなるプランにして、夜の間に充電などをまとめて済ませるのがいい。近所迷惑にならないなら、洗濯機や食洗機、掃除機なども夜に使うことで、電気代をかなり抑えることができます」(矢野さん)