岩田:小泉政権の郵政論議では、灰皿を投げ合って激論を戦わせるような場面もありました。またポスト小泉では、「麻垣康三(※注:小泉純一郎氏の後任をめぐる有力候補4人を指す言葉。麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三の4氏の名前から漢字一文字ずつを取って作られた)」の4人が激しく切磋琢磨し、相当な熱量がありました。
ところが今は自民党内で有力な後継者が不在であるのが実情です。萩生田(光一)さんや河野(太郎)さんの名前も取り沙汰されていますが、岸田首相にとっては消極的な安定が保たれている感がありますね。今までの歴史から見ても、自民党が割れる可能性は考えにくいと思います。
橋下:だから、維新がなだれを起こすとしたら、強いメッセージを出す必要があります。それが維新の課題だと思います。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
橋下徹(はしもと・とおる)/東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、1997年弁護士登録、翌年橋下綜合法律事務所設立。大阪府知事、大阪市長を歴任。地域政党・大阪維新の会を結党。その後国政政党・おおさか維新の会の初代代表に就任。2015年12月に政界引退。
岩田明子(いわた・あきこ)/千葉県出身。東京大学法学部卒業後、NHK入局。2002年、安倍晋三氏の番記者に。官邸や政党担当の他、外交取材多数。2013年から政治担当の解説委員を兼務。2022年7月、NHKを退局。写真の衣装はブラウス:ATTRANGES、stylia、イヤリング:jinjin。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号