そうした状況もあり、縮小する国内パチンコ市場から海外カジノ市場に進出しているパチンコ企業も少なくない。カジノは、パチンコ業界にとっては、遊技機開発と販売のノウハウが活きる分野でもあるからだ。
例えばコナミホールディングス(東証1部・9766)はアメリカ・カナダ・オーストラリアなど世界各地の主要カジノでライセンスを取得しているほか、シンガポールやラスベガスに遊技機を提供している。また、マルハンやダイナムジャパンホールディングス(香港上場・6889)といったパチンコホール運営企業もカジノに参入している。
セガサミーホールディングス(東証1部・6460)もマカオのカジノ施設にカジノ遊技機を設置するほか、韓国では既にカジノ施設を運営しており、2014年11月には韓国カジノ最大手パラダイスグループと合弁会社「パラダイスセガサミー」を設立し(出資比率:パラダイスグループ55%、セガサミーホールディングス45%)、韓国仁川で統合型リゾート施設「パラダイスシティ」の開発を進めている。今後は、2012年に同社が買収した宮崎「フェニックスシーガイアリゾート」にカジノを誘致しようという構想もあるようだ。
これらの企業は日本のカジノ解禁でも活路を見出したいところだろう。
文■小池麻千子(グローバルリンクアドバイザーズ):アナリストとして企業リサーチを担当。訪問企業は海外企業を中心に多数。企業訪問・分析で培ったファンダメンタルズ分析を用いたボトムアップリサーチによる銘柄選定を得意とする。