今年に入り、半導体関連株の株価が好調だ。なぜここまで半導体に注目が集まっているのか? 国内の半導体関連株にはどのようなものがあるのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第47回は、「半導体関連株」について。
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今年に入ってから株式市場では、半導体関連株が大いに賑わっています。日本を代表する半導体関連企業はのきなみ高値更新中。“半導体”という普段はまったく使うことのないワードがこれほどまでに注目されているのはなぜ? 半導体関連株に投資するにはどうすればいい? 株式投資初心者でもまるっと半導体株の上昇の波に乗る方法を解説します。
半導体が注目される理由
半導体は、電気を制御する特殊な材料で「産業の米」と呼ばれるほど重要な存在です。エアコン、掃除機、洗濯機、テレビのような家電製品のほか、パソコンやスマートフォン、タブレット端末のような電子機器、自動車や飛行機、船などの輸送機、工場で使われる産業機器や病院で稼働する医療機器など、わたしたちの身の回りのある電気で動くほとんどすべてのものに使われています。
あらゆるものがデジタル化される中で、当然半導体の需要は伸び続けています。パソコンやスマートフォンでのニーズはもちろんですが、それに加えてEV自動車の普及による自動車業界での半導体需要が増加します。さらにChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、大量のデータを処理する半導体需要がいっきに伸びると予想されています。
実際、熊本に台湾の半導体企業TSMCの工場が建設されることは大きなニュースとなりました。最近は第2工場の建設計画についても浮上しています。また、北海道には、次世代半導体の量産を目指すラピダスが工場を建設します。これらの建設には、政府も多額の補助金を助成することが決まっており、国を挙げての“半導体推し”に株式市場も賑わっているというわけです。