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川辺謙一 鉄道の科学

電車はどうして曲がれるのか? “内側と外側の長さの差”に対応する、自動車とは異なる「しくみ」

カーブしたレールの上を走行する電車

カーブしたレールの上を走行する電車

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第12回は「電車がカーブを曲がれる理由」について。

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電車と自動車の大きなちがい

「電車は自動車と同じ『車両』だから、カーブが曲がれるのは当然ではないか?」そう思っている方はいらっしゃいませんか? たしかに電車は、自動車と同様に車輪がついた「車両」なので、そう思う方がいても不思議ではありません。

 しかし、カーブを走行するしくみは、電車と自動車で大きく異なります。

 自動車は、カーブに差しかかると、外側の車輪が内側の車輪よりも速く回転します。カーブでは、外側の車輪が内側の車輪よりも長い距離を走行するからです。

 いっぽう電車は、カーブに差しかかると、外側と内側の車輪が同じ回転速度で回ります。カーブでは、車輪が転がる左右のレールの長さに差ができるにもかかわらず、です。

 それではなぜ、電車はカーブを通過することができるのでしょうか。左右のレールの長さの差をどのようにして対応しているのでしょうか。今回はその秘密に迫ってみましょう。

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