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【詳細図解】岸田政権の少子化対策 児童手当「第3子に増額」「所得制限廃止」は誤魔化しだらけ

岸田政権“誤魔化しだらけ”の児童手当の詳細(時事通信フォト)

岸田政権“誤魔化しだらけ”の児童手当の詳細(時事通信フォト)

 岸田政権の目玉政策となるはずだった「異次元の少子化対策」が大不評だ。6月23~25日に行なわれた日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査によれば、政府の少子化対策について「期待しない」の回答が60%にのぼった。児童手当の所得制限を撤廃したうえで第3子以降は増額するなどの内容を岸田文雄首相が自ら会見して発表したが、そこに多くの誤魔化しがあることを当事者である子育て世代には見抜かれているようだ。

 前述の世論調査で世代別の回答を見ると、子育て世帯が多いであろう年代にも「異次元の少子化対策」が不評だと読み取れる。「期待しない」と答えた割合は18~39歳で59%、40~50代で69%にのぼったという。

 少子化対策の内容が尻すぼみとなり、期待が失望に変わったという側面は否めないだろう。昨年5月に自民党政務調査会・少子化対策調査会が岸田首相に提言した児童手当増額案では、中所得世帯までを中心に第2子には最大で月額3万円、第3子以降には最大で月額6万円の支給を検討すべきというものだった。

 しかし、今回政府が発表した「こども未来戦略方針」では、所得制限を撤廃して支給対象を高校生にまで広げるという点では前述の自民党側の案より拡充したように見えるが、支給額については第2子が月額1万円(0~3歳未満は月額1万5000円)と現状維持で、第3子以降も月額3万円への増額にとどまった。

 その他にも、数々の誤魔化しがあり、子育て世代に不評なのはそれが見透かされているということでもあるだろう。「第3子が月額3万円に増額されると言っても、上の子との歳の差によっては、その恩恵を十分に受けられません」と指摘するのはブレイン社会保険労務士法人代表で社会保険労務士の北村庄吾氏だ。

子供の年齢差という「制度の罠」

 岸田首相は会見で、「3人のお子さんがいる家庭では、高校を卒業するまでの児童手当の総額が最大で約400万円増の1100万円になる」と説明した。これを聞くと3人の子供がいる家族なら児童手当が大幅に増えるように思えるが、前出・北村氏は「児童手当の支給を受ける時に『第何子』になるかの数え方は、子供の年齢による区切りがあります。子供が高校卒業の歳になると(18歳の誕生日後の最初の3月31日を迎えると)、“子供”の人数に入らなくなるのです」と解説する。

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