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【橋下徹氏が語る日本の政治】「大事なのは自公を過半数割れに追い込むこと。そうすれば維新の政策実行力が高まる」

緊急対談

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岸田政治との違い

橋下:コロナ対策では先走って方針を決定してしまい、専門家にひっくり返されることで支持率が下がったのは残念でしたけどね。一方、岸田(文雄)さんは、専門家や僕らコメンテーターに言わせるだけ言わせて、最後にいいとこ取りするタイプで、波に乗るタイプの政治家。年中、波が起きていたら、みんな疲れてしまうので、どっちも必要ですが、かつての安倍支持層からすると刺激が足りないでしょう。

岩田:その層を維新は狙うべきだとおっしゃっていましたね。

橋下:前回も言いましたが、維新が仮に野党第一党になったとしても、自公が過半数を握っていたら、修正協議の域を出ない。だから、大事なのは自公を過半数割れに追い込むことです。そうすれば維新の存在価値は著しく高まり、政策を実行するほどの力を持つでしょう。そのためには維新としては無党派層を分散させずにつかむこと。それから、かつての安倍支持層で岸田政権に不満のある人を取りにいくことです。

岩田:戦略的ですね。

橋下:安倍さんは自民党の岩盤保守層をしっかりつかんでいましたが、岸田さんはそこが弱い。行き過ぎた資本主義を批判し、「新しい資本主義」なる経済政策を掲げていますが、僕はむしろ日本には資本主義が全然足りないと思う。セーフティネットを築いたうえで、競争と新陳代謝で活性化しないと、日本は生き残れない。

岩田:安倍支持層を取り込むには、憲法改正を掲げるのも一つの手ですね。

橋下:そうです。僕が維新の代表を務めていたときは、教育の無償化や道州制、憲法裁判所設置の憲法改正を訴えたのですが、今の衆議院憲法審査会では、大規模災害時に衆議院議員の任期を延長できるようにしようとか言っている。

岩田:緊急事態にかこつけて議員の任期を延長する、という理屈だと、国民の理解を得られないでしょう。

橋下:国会議員は選挙を踏まえなければただの人です。まずは参議院の緊急集会(注:衆議院が解散中に緊急のことがあった場合、内閣は参議院に緊急集会を求めることができる。橋下氏は、現行の憲法では緊急集会は最長70日が限度であり、それを超えた活用には憲法改正が必要だとしている)を活用できるような憲法改正を目指すべきでしょう。

 さらに僕は石原慎太郎さんとも憲法改正において意見が合わなくて、飲んだときに大激論になったこともあります。石原さんは「憲法前文の『公正と信義に信頼して』を『公正と信義を信頼して』に直したい」「一文字でも変えたい」とおっしゃっていたんですが、一文字変えたところで現実は何も変わらないじゃないですか。

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