来年1月にNISA(少額投資非課税制度)が刷新され、投資枠が増加する。長期投資への注目がさらに集まりそうだ。新NISAの「つみたて投資枠」でも、現在の「つみたてNISA」に対応するファンドが投資対象になる見込みだ。では、どのようなファンドを選べばよいか。新刊『日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術』が話題のファイナンシャル・プランナーの菱田雅生氏が、初心者でも投資しやすい「つみたてNISA用ファンド」を紹介する。
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つみたてNISA 専用ファンドにはどんなものがあるのか、どんなファンドが多いのか、その全体像をつかむためにカテゴリー分類を見てみましょう。
2023年4月現在、225 本のうちの191 本がインデックス型です。インデックス型は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指標(インデックス)に連動する運用成果を目指すタイプです。機械的に運用していくので、コスト負担はアクティブ型に比べると安くなっているのが普通です。
インデックス型は、対象となる指標の構成銘柄を「全て買う」のとほぼ同じ効果が得られます。例えば、TOPIX 連動ファンドなら、旧東証1部上場銘柄(約2200銘柄)全てを買うのとほぼ同じ。FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス連動ファンドなら、全世界の株式の中から約9000 銘柄を買うのとほぼ同じ効果が得られます。たった1万円の投資でも、世界中の株式を買ったのと同じ効果が得られるのです。スゴくないですか?
なお、「バランス型」投信(1つのファンドで複数資産に分散した効果が期待できるタイプ)もあります。本数は191 本のうち92 本ですので、だいたい半分が幕の内弁当のようなバランス型となります。
つみたてNISA 専用ファンドには、市場平均の指標(ベンチマーク)との連動を目指すインデックス型だけでなく、ベンチマークを上回る成果を目指すアクティブ型のファンドも27本(2023年4月7日時点)、対象商品として採用されています。
アクティブ型はインデックス型より高い運用成績を記録することもありますが、そうした優秀なアクティブ型は全体の2~3割程度にとどまるというデータもあり、中身の構成をよく見てみるとインデックス型とほとんど一緒、というケースもあります。また、インデックス型よりも手数料は高めなので、初級者コースの人は、まずはインデックス型から始めればいいと思います。